Good TOOLS For Me|愛用の傘を教えてください。

3人のクリエイターに愛用している日用品を聞くこのコーナー。今回は、雨の季節を楽しく乗り切るための雨傘です。

〈Coci la elle〉のカラフルな雨傘。

清澄白河のアトリエを新装しオープンした〈コシラエル本店〉。傘の生地はもちろんのこと、ハンドルの種類もあれこれと。

元はと言えば、雨が苦手だった。ところが年々、雨傘が増えていく。不得手を克服したいと思うゆえ、目をそむけるどころか、雨具を特別贔屓目で見てしまうのだ。

ここ数年の愛用品は、絹織物の産地・山梨で江戸時代に創業し、明治時代から傘生地の生産を行う〈槙田商店〉の傘。織り上げてから染色するのでなく、糸を染色してから織る甲州織の傘は、縦糸と横糸が独特の風合いを織りなし、ノーブルで見目麗しい。

そこへこの春、新たな傘が仲間入り。日傘作家の、ひがしちかさんが主宰する、傘とスカーフのブランド〈コシラエル〉のもの。ちかさんは、布に直接風景や模様を描く、一点物の日傘作りが原点。ときに繊細で女性らしく、ときに力強く大胆な筆致は、詩的で、彼女が紡ぐ物語のよう。

日傘、雨傘、スカーフが、ずらりと並ぶショップで私が選んだのは、ゆらぎのある色とりどりの縞模様。この雨傘をぱっと開くたび、線の隙間からこぼれる光や、体を包む湿度を、しっとり心地よく感じられる。

甲斐みのり(かいみのり)

文筆家。旅、散歩、お菓子、手土産、クラシックホテル、雑貨や暮らしなどを主なテーマに執筆。近著は『はじめましての郷土玩具』(グラフィック社)。