DESIGN
クライアントにも、その先代にも納得してもらえるデザインを。|行くぜ、東北。
August 24, 2015 | Design, Food, Travel | sponsored | photo_Kohei Shikama text_Yoshikazu Itamoto (SHOE PRESs) editor_Akio Mitomi
山形を訪れ「いいな」と思い手にとったメイド・イン・ヤマガタのクラフト。それらはけっこうな確率で、山形を愛するクリエイター集団〈アカオニデザイン〉の手によるものだったりします。パワフルでおもしろくてどこか素朴さが残る〈アカオニデザイン〉。彼らの幅広い仕事ぶりを紹介します。
物産品やお菓子のパッケージ、演劇のポスター、ブックカバー、イベントのフライヤー…山形のさまざまなジャンルで活躍する〈アカオニデザイン〉。その仕事ぶりが山形のみならず、全国のクリエイターからも注目を集めている。
代表の小板橋基希さんは群馬県出身。山形市郊外にある東北芸術工科大学への進学と同時に山形へ移住した。「在学中、就活もせずに写真館でバイトをしていた。それで卒業と同時に友人と始めたのが〈サンデーブース〉という写真館」。写真撮影だけではおもしろくないと、「デザインもできます」とうたったところ、次第にデザイン系の仕事が増え始めた。
代表の小板橋基希さんは群馬県出身。山形市郊外にある東北芸術工科大学への進学と同時に山形へ移住した。「在学中、就活もせずに写真館でバイトをしていた。それで卒業と同時に友人と始めたのが〈サンデーブース〉という写真館」。写真撮影だけではおもしろくないと、「デザインもできます」とうたったところ、次第にデザイン系の仕事が増え始めた。
そして2004年、〈アカオニデザイン〉を設立。山形駅西口から徒歩5分ほどの場所にあるコンクリート打ちっ放しの小さなビルを借り、「山形から世界へ」、そんな意気込みを少しだけ持ちながら事務所はスタートした。
山形で「アカオニ」といえば、山形県高畠町出身の童話作家・浜田広介がいる。インパクトがある名はないかと考え、たどり着いたのが『泣いた赤おに』だった。また鬼は老若男女誰もが知っていて、良い鬼も悪い鬼も存在しながら実体がない。そんな人々の幻想を楽しくデザインするような会社にしたいとの思いが重なった。
山形で「アカオニ」といえば、山形県高畠町出身の童話作家・浜田広介がいる。インパクトがある名はないかと考え、たどり着いたのが『泣いた赤おに』だった。また鬼は老若男女誰もが知っていて、良い鬼も悪い鬼も存在しながら実体がない。そんな人々の幻想を楽しくデザインするような会社にしたいとの思いが重なった。
ここ最近、〈アカオニデザイン〉の仕事で多く見かけるのが、山伏でイラストレーターの坂本大三郎さんとのコラボレーション。2014年「みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ」のポスター制作のアートワークが最初の仕事だ。その後、せんだい演劇工房のポスター「蛙昇天」、宮城県松島町の瑞巌寺で行われる「松島流灯会 海の盆」ポスターなど、坂本さんのイラストを中央に据えた作品は、いずれも見た者に強い印象を残す仕上がりになっている。
〈アカオニデザイン〉の仕事を語る上で欠かせないものに、商品のパッケージデザインがある。最初に評価された仕事は2008年、山形県真室川町にある〈大沼養蜂〉のハチミツのパッケージだった。小ロットで手間を惜しまず作られた純粋天然はちみつ。その良さをパッケージでどう伝えるか、考えに考えて形にした。これをきっかけに商品パッケージの仕事が舞い込むようになる。
山形市郊外の〈オーロラコーヒー〉のパッケージデザインは、たまたまオーナーの大杉さんが小板橋さんの近所に住んでいたことで始まった仕事。小板橋さんが最初にイメージしたのは、かつて肉屋さんで見かけた何気ない一場面。肉を経木で包んだあと、店主が緑色の薄紙にマジックでさらさらっと書くグラム数や価格、それをコーヒーのパッケージに応用したかった。
山形市郊外の〈オーロラコーヒー〉のパッケージデザインは、たまたまオーナーの大杉さんが小板橋さんの近所に住んでいたことで始まった仕事。小板橋さんが最初にイメージしたのは、かつて肉屋さんで見かけた何気ない一場面。肉を経木で包んだあと、店主が緑色の薄紙にマジックでさらさらっと書くグラム数や価格、それをコーヒーのパッケージに応用したかった。
「その商品をどう売り出すか、大げさに言えば店主は人生を賭けている」。商品コンセプトを表現し、なおかつ売れてもらいたいと小板橋さんは語る。
以前、400年以上続く農家から米のパッケージの仕事依頼があった。小板橋さんは「たまたま、今のご主人がうちにパッケージの仕事をくれただけ。クライアントにも、その先代にも納得してもらえる仕事にしなくては申し訳ない」と話す。土地の歴史をひもとき、背景なども盛り込みながら丹念にパッケージを完成させていく。そこにあるのは、手作りの商品を販売するクライアント同様の手仕事の姿だ。
デザインのみならず、撮影やコピーもオールマイティに手がける〈アカオニデザイン〉のモットーは「アカるく、すなオニ」。今後も〈アカオニデザイン〉が発信する山形発のポジティブなデザインに注目だ。
以前、400年以上続く農家から米のパッケージの仕事依頼があった。小板橋さんは「たまたま、今のご主人がうちにパッケージの仕事をくれただけ。クライアントにも、その先代にも納得してもらえる仕事にしなくては申し訳ない」と話す。土地の歴史をひもとき、背景なども盛り込みながら丹念にパッケージを完成させていく。そこにあるのは、手作りの商品を販売するクライアント同様の手仕事の姿だ。
デザインのみならず、撮影やコピーもオールマイティに手がける〈アカオニデザイン〉のモットーは「アカるく、すなオニ」。今後も〈アカオニデザイン〉が発信する山形発のポジティブなデザインに注目だ。
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