CULTURE
自分とは何かを再発見する絵本。
| Culture | a wall newspaper | photo_Junpei Kato text_Kana Umehara
話題の絵本作家が教えるニセモノの作り方。
書籍の装画などイラストレーターとして活躍するヨシタケシンスケ初めての絵本『りんごかもしれない』。本書は昨年、MOE絵本屋さん大賞の1位を獲得するなど大きな話題をさらった絵本界で注目の一冊だ。今年、シリーズ2作目となる『ぼくのニセモノをつくるには』を発表した。
「この2作は『発想えほん』シリーズと呼んでいます。子供たちが何か考えるきっかけをお説教くさくなく、できるだけくだらなく描くことがひとつのテーマ(笑)。世の中には、どうでもいいことも大事そうなことも区別なく同等に転がっている。僕の絵本もそれと同じなんです。笑い飛ばして読み終わる。どういう意味なんだろう? とか、自分ならこうだなと考えるとか、そういう気づきは、あとからなんとなくついてくればいい」
ひとつのりんごを「なにかのタマゴかも」「きょうだいがいるのかも」と想像した1作目。ひとつのりんごも角度を変えれば違った発想が生まれるのだと提示してくれた。一方で、2作目では「自分の“ニセモノ”を作る物語だったらワクワクしながら読めるかなと思った」と「自分とは何か?」をヨシタケらしい視点で考える。
「僕は実はすごくネガティブな人間。ネガティブだからこそ、面白おかしく世の中を捉えたいんです。この絵本には、クヨクヨしてしまう“自分”を励ます気持ちも込められています」
「ぼくはウィンクができる」けど「ぼくは素直に謝れない」など、くすりとさせる子供らしい主人公の自分らしさは、読者の中の「自分」をも再発見させてくれる。
「アイデンティティーなんて壮大なこと言われてもピンとこない。でも、ね、君も主人公と同じでしょ? というのを肌で感じてもらえたら。これは自分にも当てはまる“あるあるネタだ!”と思ってもらえれば、それだけでうれしい」
「この2作は『発想えほん』シリーズと呼んでいます。子供たちが何か考えるきっかけをお説教くさくなく、できるだけくだらなく描くことがひとつのテーマ(笑)。世の中には、どうでもいいことも大事そうなことも区別なく同等に転がっている。僕の絵本もそれと同じなんです。笑い飛ばして読み終わる。どういう意味なんだろう? とか、自分ならこうだなと考えるとか、そういう気づきは、あとからなんとなくついてくればいい」
ひとつのりんごを「なにかのタマゴかも」「きょうだいがいるのかも」と想像した1作目。ひとつのりんごも角度を変えれば違った発想が生まれるのだと提示してくれた。一方で、2作目では「自分の“ニセモノ”を作る物語だったらワクワクしながら読めるかなと思った」と「自分とは何か?」をヨシタケらしい視点で考える。
「僕は実はすごくネガティブな人間。ネガティブだからこそ、面白おかしく世の中を捉えたいんです。この絵本には、クヨクヨしてしまう“自分”を励ます気持ちも込められています」
「ぼくはウィンクができる」けど「ぼくは素直に謝れない」など、くすりとさせる子供らしい主人公の自分らしさは、読者の中の「自分」をも再発見させてくれる。
「アイデンティティーなんて壮大なこと言われてもピンとこない。でも、ね、君も主人公と同じでしょ? というのを肌で感じてもらえたら。これは自分にも当てはまる“あるあるネタだ!”と思ってもらえれば、それだけでうれしい」
