CULTURE

janと夜に生まれる音楽。

November 26, 2014 | Culture | a wall newspaper | photo_Tomoyo Yamazaki text_Katsumi Watanabe

2つのグループを行き来する24歳のヤンくん。彼の音楽が生まれる場所とは。

Ｑ　キャリアを振り返りますが、2012年にGREAT3のベーシストとして加入されていますね。

もともと、メンバーの片寄明人さんとうちの母が知り合いで、僕が子供のころに会ったことがあった。その後十数年を経て、10年にツイッターを介して再会したんです。それから一緒に音楽を聴きながら、お酒を飲むようになった。お互いアレン・ギンズバーグなど、ビートニクの作家が好きで、話をしているうちに仲良くなって、バンドへ誘ってもらいました。

Ｑ　ベースは演奏されていた？

中学からギターを弾いていましたが、片寄さんから「ギター弾けるなら、ベースもできる。シド・ヴィシャスみたいに弾けばいい」と言われ、それならできると思った。でも、蓋を開けてみたらGREAT3の曲って超難しいんです。（笑）

Ｑ　その後、ヤン＆ナオミでの活動も始めていますね。

3年ほど前まで、渋谷の百軒店に〈HESO〉という飲み屋さんがあり、たまに弾き語りをしていたんです。お店の閉店日の明け方、ナオミさんと“同じ酒の雨をくぐり抜けた同士”というシンパシーが芽生え、一緒に演奏して意気投合しました。最初はお互いフォークギターを弾き、サイモン＆ガーファンクルのようなフォークデュオを目指していましたが、すぐ飽きたので、僕はギブソン、ナオミさんはフライングVに持ち替えて。

Ｑ　ヤンさんのギターとは？

ギブソンのL-5という1950年代の楽器のリメイク。4年ほど前、新大久保で飲んでいるとき、たまたま通りかかった楽器屋さんのショーケースにギターがあり、思わず衝動買いしましたね。（笑）

Ｑ　結果的に出てきたのが、ミニアルバム『jan, naomi are』のような音楽ということですか？

浮遊感があって、ロマンティックな音楽。メロディーは自然に出てくるけど、歌詞は熟考したい、あれこれ考えて作りたいんです。シェイクスピアの抒情詩やオスカー・ワイルドの戯曲のように、音楽に乗せて、心に残る言葉を届けたいと思っています。今は英詞ですが、今後は日本語の歌詞も書くつもりでいます。

Ｑ　重要な局面で、必ずお酒の話が出てきますね。好きですか？

はい（笑）。酒のある場所って、時間がたつにつれ、空気が澄んで、ある意味澱みのない雰囲気になると思うんです。そういう場所や時間に歌を添えたいんですよね。