CULTURE
Tenugui | 橘家文左衛門。
June 2, 2014 | Culture, Design | A Wall Newspaper | photo: Keiko Nakajima text: Kana Umehara editor: Yuka Uchida
今、脂の乗った中堅落語家の一人、橘家文左衛門。
落語界きっての無頼派は、手ぬぐいも大胆不敵!
「若いころは、私は手ぬぐいなんてこだわりがなかったもんだから、適当にそれこそベタな桜の柄なんかを手ぬぐい屋のカタログから選んで、使っていたわけよ。ただ、それも飽きちゃったもんだから、飲み友達のデザイナーに、まさに酒飲みながら相談して。なにか面白い手ぬぐいを新しく染めてみようやって話になった。私らしくって言って注文したら有刺鉄線柄と金網柄が仕上がってきた。どっかの施設か収容所か、みたいなさ(笑)。でも、どちらもいいアイデアだったから両方とも採用。ちょうど、競馬で儲かっていたところだったもんだから(笑)。勢いで、景気よく2種類とも染めてみました。
落語家の手ぬぐいは、あくまで落語の小道具なんです。そこに主張がありすぎちゃいけないと思います。色使いやデザインに野暮ったらしい派手さはいらない。私の手ぬぐいもよく見りゃワルっぽい遊びのある柄だけど、畳んでおけば小紋柄のように見える。和の手ぬぐいらしい感じ。遊び心がありつつ、ごくシンプルに。これが粋だと思いますよ」
落語家の手ぬぐいは、あくまで落語の小道具なんです。そこに主張がありすぎちゃいけないと思います。色使いやデザインに野暮ったらしい派手さはいらない。私の手ぬぐいもよく見りゃワルっぽい遊びのある柄だけど、畳んでおけば小紋柄のように見える。和の手ぬぐいらしい感じ。遊び心がありつつ、ごくシンプルに。これが粋だと思いますよ」
三遊亭小円歌師匠の手ぬぐい。「女性の落語家さんは柄や色使いが繊細で丁寧。これは高座でも使いやすい1本」
たちばなやぶんざえもん
1962年東京生まれ。86年橘家文蔵に弟子入り。2001年真打昇進し、橘家文左衛門を襲名。豪快かつ繊細な高座で多くのファンを獲得。毎月、落語カフェにて「文蔵コレクション」を開催。パンクバンドを組むロック好きとしても有名。