ART
生誕三百年 同い年の天才絵師 若冲と蕪村 | TOKYO
March 16, 2015 | Art | a wall newspaper | text_ Naoko Aono
伊藤若冲と与謝蕪村が生まれた1716年は近世絵画史のターニングポイントだ。若冲は京都の青物問屋の長男だったが40歳で家督を弟に譲り、85歳で没するまで絵に専念する。蕪村は江戸で俳諧を学ぶが、僧侶として放浪生活を送った。
若冲は墨のにじみを利用する「筋目描き」やモザイク画のような「升目描き」など独特の画法を積極的に取り入れる。蕪村もひとつの画面に描いた発句と絵が互いに響き合う「俳画」という新しいジャンルを開拓した。二人とも御用絵師などの権威ある地位ではなく、自由な立場で絵を描いていたからこそ、画期的な作品を生み出すことができたのだ。
1716年は徳川吉宗が八代将軍となった年でもある。好奇心旺盛だった吉宗が洋書の輸入を緩和したことから蘭学が盛んになった。また黄檗宗という新しい宗教やそれに付随した中国の画譜類が移入し、画壇に大きな影響を与えた。若冲、蕪村らが巻き起こした近世絵画の変革とその背景に迫る。
1716年は徳川吉宗が八代将軍となった年でもある。好奇心旺盛だった吉宗が洋書の輸入を緩和したことから蘭学が盛んになった。また黄檗宗という新しい宗教やそれに付随した中国の画譜類が移入し、画壇に大きな影響を与えた。若冲、蕪村らが巻き起こした近世絵画の変革とその背景に迫る。
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