ART
宮沢章夫さん、マンガ家・岡崎京子のどこがすごかったのですか?
February 17, 2015 | Art | a wall newspaper | text_Toshiya Muraoka
サブカルチャーを通して時代を読み解く作家・宮沢章夫が、岡崎京子の名作『リバーズ・エッジ』とその時代を一気に語ります。
1989年から94年にかけての5年間の岡崎京子さんの仕事ぶりは、非常に興味深い。80年代を描いた岡崎京子さんの作品と、90年代を描いたものとでは明らかな違いがあった。90年に連載がスタートする『東京ガールズブラボー』のあとがきによれば、この作品は80年代を擁護するために描いたという。90年代に入ってすぐ、時代に乗れなかった人たちに徹底的に叩かれることになった80年代にも、いくつもの文化的な萌芽があったことを描いていたと。では、その後に続く作品で何を描いたのか。95年のオウム真理教の事件によって顕在化するような、時代が内包するグロテスクさを予兆していたのではないか。
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