リクリットさん、鏡張りの茶室を作った理由は?

本格的な展覧会『岡山芸術交流 2016』。岡山城に茶室を作ったリクリットさんに聞きました。

Rirkrit Works

お茶会は11月13日と27日に開催。

黒い外壁から「烏城」の別名もある岡山城。その本丸に鏡張りの茶室が出現! タイのアーティスト、リクリット・ティラヴァーニャが『岡山芸術交流』のために作ったアートワークだ。なぜ岡山城に茶室を? その謎について、アーティストに聞きました。

鏡張りの茶室があるリクリット・ティラヴァーニャの作品。この盆栽は3Dプリンターで作ったもの。

Q なぜ茶室を作ったんですか?

この茶室は縦・横・高さともに3M。ブッダがこの大きさの部屋で千人の僧に説教したという逸話がある。また日本の茶道では茶人は自由な立場であって、時に将軍より強い権力を持つこともある。茶室という限られた空間に精神的な要素が重なっているところにも惹かれたんだ。

Q この場所を選んだ理由は?

ここには元の天守閣があって、地面にはその基礎を復元した岩が碁盤の目のように置かれている。鉄パイプで作った迷路のようなグリッドはその延長だ。空間を拡張するというコンセプトだね。

〈A&A TUBE〉は青木淳の設計。

Q 茶室の中は鏡張りです。

鏡は少し歪んでいる。人やものが流れていくようで、広がりも感じられると思う。

Q 実際にお茶も飲めますか。

パフォーマンスとしての茶道に惹かれて京都でお茶を勉強している女性が、毎日ではないけれど、お茶を点ててくれる。セレモニーを経験して自分なりのアイデアを持ち帰ってほしい。

Q 連携プロジェクトの〈A&A TUBE〉で建築家と組んだホテルのプランも展示していますね。

アトリエ・ワンと共同で、ル・コルビュジエの〈カップ・マルタンの休暇小屋〉に倣った客室を考えた。小さいけれど人間味ある、精神的に豊かな空間だ。アトリエ・ワンは建築の社会的な側面も考えているところが面白い。今回、彼らとプロジェクトができて楽しかった。アーティストと建築家はもっと協働したほうがいいと思う。『岡山芸術交流』では、荒木悠やサイモン・フジワラ、ピエール・ユイグらクオリティーの高いコンセプチュアルアートが揃う。岡山市内でコンパクトにまとまった会場には前川國男設計のモダニズム建築も。見どころの多い展覧会だ。

連携プロジェクト〈A&A TUBE〉に展示されているホテルプラン。