青野尚子の「今週末見るべきアート」|大空間に広がるライアン・マッギンレーのインスタレーションは必見です!

明るくてポップな色彩がそこらじゅうを飛びかう展覧会。ライアン・マッギンレーの写真にはポジティブな光と色があふれています。日本の美術館では初めての個展では大型のインスタレーションが話題に。オープニングではサイン会などでもみくちゃになりそうだったライアンに聞きました。

東京オペラシティアートギャラリーの個展会場、大型インスタレーションの前のライアン・マッギンレー。人柄もナイスです。

『BODY LOUD!』。聞いただけで勇気と元気がわいてきそうなタイトルだ。ライアンさん、これってどんな意味なんですか?

「僕の写真は人間の身体のエネルギーや動きに関するものが多いから『BODY』という言葉が浮かんだ。LOUDは音楽でよく使う言葉だよね。音楽の持つ熱やバイブレーションを現したいと思ったんだ」

壁一面にポートレイトが貼られたインスタレーション《YEARBOOK》。タイトルには年鑑、卒業アルバムといった意味があり、今も続いているプロジェクトだ。

会場で目を引くのは長さ30メートルのダイナミックなインスタレーション! スタジオでのヌードのポートレイトがびっしりと貼られている。ブルー、紫、オレンジ、黄色、壁いっぱいにビビッドな色が踊る。

「この作品のテーマはディスコのフロアなんだ。ミラーボールとか色とりどりのライトが点滅している。レコードショップにも似てるでしょ。壁じゅうにレコードジャケットが貼ってある」

《YEARBOOK》の設営はこんなふうにして進められた。床に置かれた“設計図”に沿って壁に一枚ずつ、ポートレイトを貼っていく。 photo_Satoshi Nagare

面白いのは現代のサブカルチャーだけでなく、クラシックなアートも引用されていることだ。

「この作品はミケランジェロの『システィーナ礼拝堂』の絵も参照している。壁や天井にいろいろなポーズをした、たくさんのヌードが空中に浮いている大作だ。空から落ちてきているものもある。僕は若いときにアートを勉強していてイタリアの古典絵画や宗教画から大きな影響を受けた。ヌードがたくさん出てくるからね。子供のころは毎日のように教会に通って、十字架にかけられた裸のキリスト像を眺めていたんだ」