ART
地域に“棲む”ことを考える、〈アーツ前橋〉の展覧会。
January 10, 2016 | Art, Architecture | casabrutus.com | text_Keiko Kamijo editor_Akio Mitomi
群馬県の〈アーツ前橋〉で、地域と社会を考える展覧会「ここに棲む─地域社会へのまなざし」が開催中だ。本展では、建築と現代アートの二つの視点を通じ、現代社会に住むということについて改めて問いかけている。
本展を企画したアーツ前橋の館長である住友文彦は“棲む”という言葉について以下のように述べた。
「建築や都市を切り口にした展覧会はさまざまありますが、一般の人から見ると抽象度が高くて難しいと感じることが多い。そこで最初は誰もが当たり前に感じている“住む”ということをテーマにしようということでリサーチを続けてきました。作家との対話を繰り返していくなかで、人間以外の生き物との共存を考える作品もあったことから、人間中心の考え方ではない“棲む”という文字を使う方が、展覧会のメッセージが伝わるのではないかと考えたからです」
藤野高志/生物建築舎による《キメラ》。タイトルの《キメラ》は、さまざまな生き物の要素が合体したことを示す。藤野は、日々の仕事である建築模型と、植物や動物、プロダクトなどをすべて等価に扱いブリコラージュした。
「建築や都市を切り口にした展覧会はさまざまありますが、一般の人から見ると抽象度が高くて難しいと感じることが多い。そこで最初は誰もが当たり前に感じている“住む”ということをテーマにしようということでリサーチを続けてきました。作家との対話を繰り返していくなかで、人間以外の生き物との共存を考える作品もあったことから、人間中心の考え方ではない“棲む”という文字を使う方が、展覧会のメッセージが伝わるのではないかと考えたからです」
藤野高志/生物建築舎による《キメラ》。タイトルの《キメラ》は、さまざまな生き物の要素が合体したことを示す。藤野は、日々の仕事である建築模型と、植物や動物、プロダクトなどをすべて等価に扱いブリコラージュした。
本展の出品作家は14組で建築家が7組、現代美術作家が7組。テーマを色濃く浮かび上がらせるために双方の視点のバランスに注力したという。
突然風景が変わり、黄昏時のようなムードになる。三田村光土里は、事前に前橋に何度もリサーチで訪れ、町中にある「るなぱあく」に目をつけた。そして、町中を歩き回り、古道具屋や公民館などで使われていない家具や雑貨を見つけ、独自の《るなぱあく》空間を作り出した。空間には、「涙で川ができるほど私のために泣けばいい」と切なげなジャズナンバー『Cry Me a River』が流れる。前橋には、非常に流れの早い広瀬川が流れている。
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