ART
写真を通して時間を見る。ドイツ銀行コレクション展、開催中。
September 25, 2015 | Art | casabrutus.com | text_Mariko Uramoto editor_Akio Mitomi
質量ともに世界屈指のドイツ銀行現代美術コレクション。その中から、近現代の写真作品約60点で構成された展覧会「そこにある、時間―ドイツ銀行コレクションの現代写真」が開催中だ。
ベルント&ヒラ・ベッヒャー、アンドレアス・グルスキー、ゲルハルト・リヒターなどの現代ドイツ写真家はもちろん、杉本博司、やなぎみわ、曹斐やヂョン・ヨンドゥといったアジアの作家による写真作品もずらり。また、アフリカ・アラブ・東欧からの作品も登場。このような多彩なラインナップから、それぞれの文化的・社会的背景を抱えながら、アーティストが現代美術とどのように対峙しているか、という観点からも興味深く鑑賞できる。
本展は「時間」を冠した展示であることも忘れてはならない。写真は時間を切り取るメディアだが、撮影した瞬間と鑑賞者が写真を見る瞬間の間には、絶対的な時間の差が生じる。〝時間差〟という性質をもつ写真メディアを通して、アーティストは目の前の風景をどう写し、未来の鑑賞者に訴えようとているのか。数々の写真を通して、「時間」の観念についても深く思いをはせたい。
そこにある、時間―ドイツ銀行コレクションの現代写真
〈原美術館〉
東京都品川区北品川4-7-25。 TEL 03 3445 0651。開催中〜2016年1月11日。11時〜17時(祝日を除く水曜〜20時)。月曜・9月24日・10月13日・11月24日・12月28日〜1月4日休。1,100円。公式サイト