ART
ニキ・ド・サンファル展
September 19, 2015 | Art | a wall newspaper | text_Naoko Aono
モデルとして『ヴォーグ』などの表紙を飾ったこともあるアーティスト、ニキ・ド・サンファル。後に彫刻家、ジャン・ティンゲリーと出会い、「射撃絵画」の制作を始める。絵の具を入れた缶や袋をキャンバスなどに付着させ、銃を撃つという絵画だ。その後彼女は自らの女性性をテーマにした作品へと移行、「ナナ」と名づけられた、鮮やかな色彩の豊満な女性が踊ったり逆立ちしたりする開放的な女性像を生み出す。
これらの作品は社会問題に対するニキの関心から作られたものでもある。紛争や暴力への抵抗感からは射撃絵画が、ジェンダーへの疑問からは「ナナ」が生まれた。
展覧会では100点を超える作品からニキの生涯をたどる。ガウディの〈グエル公園〉に刺激を受けた、ニキの彫刻庭園〈タロット・ガーデン〉や、ニキに日本文化を紹介した支援者、故Yoko増田静江との交流を物語る資料も。エネルギーあふれるアートが生まれた源泉をたどれる展覧会だ。
ニキ・ド・サンファル(ポートレート)、1983年。撮影:黒岩雅志 Yoko 増田静江コレクション/©2015 NCAF, All rights reserved.