ARCHITECTURE
特別展『ガウディ×井上雄彦』が金沢21世紀美術館に巡回中!
October 10, 2014 | Architecture, Art | casabrutus.com | photo_Tetsuya Ito text_Kosuke Ide
記者発表時、その意外とも言えるコラボレーションについて「ガウディと僕の共通点は、“完成を急がない”ところ」とユーモアを交えて語り、4月のバルセロナ滞在時における本誌取材の際にも「まだ一枚も描いていない」と告白した井上雄彦の姿を知っている人であれば、なお驚いたに違いない。7〜8月にかけて東京・森アーツセンターギャラリーで開催された『特別展 ガウディ×井上雄彦 −シンクロする創造の源泉−』会場に並んだ、井上さんが描きおろした作品群の圧倒的な“密度”に。
本人自身が「実際に見るまで何が展示してあるのか想像がつかない展覧会」と語る、「19世紀スペインに生まれた世界的建築家と日本を代表する超人気漫画家の共同展」というある種のトリッキーな企画に対して、井上さんは自らのフィールドであるコマ割りを持つマンガ作品、そしてシンプルかつ大胆ないくつかの絵画作品という“剛球ストレート”で応えた。ガウディの生涯とその膨大な業績を的確に紹介する多くの写真とスケッチ、建築模型、実物の家具など貴重な資料の数々と有機的に交じり合うかのように展示されるそれらの作品群の完成度と充実ぶりに、あくまで「主役はガウディ」という謙虚な姿勢とリスペクトを持った上での、この建築家に対する強い思い入れが滲み出ているようでもある。
話題を呼んだ東京での展示を終え、巡回展として始まった金沢21世紀美術館の会場で、「ガウディの“独創”というものに対する考え方に、強く共感した」と井上さんはその思いを語る。その“考え方”とはいかなるものか、未見の方はぜひ展覧会に足を運んで自らの目で確かめてもらいたい。今回の展示では井上さん自ら会場の壁にドローイング、ペインティングを施し、この会場だけの特別な魅力も加えられている。道を究めんとするアーティスト同士だからこその時代を超えた精神的交流に、観る者の心もワクワクさせられる、まさに“高密度”な展覧会。お出かけの際は、本誌8月号をぜひサブテキストにどうぞ。
本人自身が「実際に見るまで何が展示してあるのか想像がつかない展覧会」と語る、「19世紀スペインに生まれた世界的建築家と日本を代表する超人気漫画家の共同展」というある種のトリッキーな企画に対して、井上さんは自らのフィールドであるコマ割りを持つマンガ作品、そしてシンプルかつ大胆ないくつかの絵画作品という“剛球ストレート”で応えた。ガウディの生涯とその膨大な業績を的確に紹介する多くの写真とスケッチ、建築模型、実物の家具など貴重な資料の数々と有機的に交じり合うかのように展示されるそれらの作品群の完成度と充実ぶりに、あくまで「主役はガウディ」という謙虚な姿勢とリスペクトを持った上での、この建築家に対する強い思い入れが滲み出ているようでもある。
話題を呼んだ東京での展示を終え、巡回展として始まった金沢21世紀美術館の会場で、「ガウディの“独創”というものに対する考え方に、強く共感した」と井上さんはその思いを語る。その“考え方”とはいかなるものか、未見の方はぜひ展覧会に足を運んで自らの目で確かめてもらいたい。今回の展示では井上さん自ら会場の壁にドローイング、ペインティングを施し、この会場だけの特別な魅力も加えられている。道を究めんとするアーティスト同士だからこその時代を超えた精神的交流に、観る者の心もワクワクさせられる、まさに“高密度”な展覧会。お出かけの際は、本誌8月号をぜひサブテキストにどうぞ。
特別展 ガウディ×井上雄彦 -シンクロする創造の源泉-
〈金沢21世紀美術館 市民ギャラリーA〉
石川県金沢市広坂1-2-1 TEL 076 220 2800。~11月5日。10時~18時。会期中無休。入場料1,300円。http://www.gaudinoue.com巡回情報
長崎県美術館(隈研吾設計)に12月20日〜2015年3月8日、兵庫県立美術館(安藤忠雄設計)に2015年3月21日〜5月24日、せんだいメディアテーク(伊東豊雄設計)に6月3日〜7月12日。ガウディ×井上雄彦×美術館建築、という観点からも楽しみな巡回です!