ARCHITECTURE
〈ワタリウム美術館〉でリナ・ボ・バルディ展が開催中。
December 17, 2015 | Architecture | a wall newspaper | text_Naoko Aono
オスカー・ニーマイヤーで知られるモダニズム建築天国、ブラジル。そのブラジルでもう一人、見逃せない建築家がいる。リナ・ボ・バルディという女性建築家だ。ローマ生まれの彼女はジオ・ポンティの事務所で働いた後、1946年にブラジルに移住、92年に没するまでブラジルで活動した。
彼女の建築は、合理主義的なモダニズム建築とブラジル固有の建築やデザインを融合させているのが特徴だ。例えば自邸〈ガラスの家〉は細い柱で持ち上げられたガラスの箱だけれど、居住スペースのデザインにはブラジルの土着的な建築が応用されている。
リナ・ボ・バルディは、建築を「人々が主役となって親密に関われる冒険」だと考えていた。「貧しい建築」と表現したこともある。単純で質素だけれど、生活を豊かにする建築だ。